<< 2017/09|123456789101112131415161718192021222324252627282930 >>
DOWN▼
TOP > スポンサー広告 > 039:テーゼTOP > NOVEL > ドリーマーに100のお題 > 039:テーゼ

--/--/--/--:--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告EDITCLAP

2011/11/20/00:00

039:テーゼ

最初は何もかも間違っていると思った。
認めたくない、簡単に自分の人生を決められてたまるかとも。

いきなり目の前に現れた人が自分の許婚だという事実は、あたしにとってあまりにも衝撃的だった。
けれど、反発し合う日々の中で、いつも側には当たり前のように乱馬がいて。

無意識のうちにその姿を目で追っていた。


気がついたらもう、乱馬はあたしの中で特別な存在になっていた。


強く抱きしめられたことも。
好きだ、と言ってくれたことも。
気づいたら…キスをしていたことも。

――こうして、次に進もうとしていることも。


偶然じゃなくて、必然だったんだって、今なら思える。


初めのうちはぎこちなくて慣れなかったキスも、だんだん心地よく感じるようになっていって。

あんなに素直じゃなかったのに、今ではだいぶ乱馬に甘えられるようになった。


息が上がるほど深いキスも、何度かした。
そのたびに目の前の乱馬が、なんだか別人のようで――。


それでも乱馬を思う気持ちは、日に日に強くなっていった。





***





ときどき、触れたくてしょうがなくなる。

自分の気持ちに正直になればなるほど、その衝動に駆られることが多くなった。


そして今も――。


「…。」


いつものようにあたしの部屋でくつろぐ、お風呂上がりの乱馬からは石鹸のいい香りがして、あたしはふいに甘えたくなった。


もっと近づきたくて、乱馬の肩にそっと頭をもたれる。

「ん?」
「…。」

どうした?と顔を覗き込もうとする乱馬に、なんでもない、と告げた。


顔が少し熱い。
ちょっと赤くなっているかもしれない。


乱馬はふっと微笑うと、あたしの前髪にキスを落とした。
そのくすぐったさに思わず目を閉じると、そのまま接吻けられた。

一度離れて、目が合う。
乱馬の手が頬に触れ、あたしはまた目を閉じた。


「……ん…っ…。」

角度が変わり、次第に深くなるキスに体温が上がるのを感じた。

いつもはここで離れるのに、今日はそれが訪れない。

あたしの頬に触れていた乱馬の手が頭の後ろに添えられ、ぐっと引き寄せられる。
状況を理解する間もなく続く激しいキスに頭が混乱した。


ふいに乱馬に抱えられると、そのままゆっくりとベッドに横たえられる。
もしかしてこのまま……そう思っていると、乱馬が熱い吐息を洩らしながら言った。

「……いい?」

心臓が壊れそうなくらいに激しく鼓動を打つ。
いつかはこうなるかもしれないとは思っていたけれど、そのときが今日突然訪れるとまでは考えてもみなかった。

けれど、パニックになる頭とは裏腹に、あたしはその問いに頷いていた。

頷いた自分自身に驚く。
それでも目の前で安心したように微笑む乱馬を見て、その行動が間違っていなかったことに安堵した。


「…っ…。」

ふと、乱馬の指が首筋に触れた。
自分でもわかるくらいに身体が震える。

頭では相手が乱馬だとわかっていても、いざこの瞬間を迎えると不安を消し去ることができない。

「…怖いんだろ?」

そう言って乱馬はじっとあたしを見つめた。
思わず目を逸らしそうになるのをぐっとこらえて、あたしは首を横に振った。


すると乱馬は急にあたしの右手を掴んで自分の左胸にそれを押しつけた。
乱馬の心臓はあたしと同じか、それよりも速い鼓動を打ち続けている。

「…俺…すげー緊張してる。」

そう言って乱馬は自嘲するように笑った。
その手が冷たく、少し震えているのがわかって、なぜだか少しほっとする。


乱馬もあたしと同じなんだ。

そう思うと、こんなときなのに嬉しくなった。


「あたしも…ホントはちょっと怖いし、すごく緊張してるけど…。」

それを振り切るかのように、一度逸らした目をまた乱馬のそれに合わせた。

「大丈夫だよ。」


かち合う乱馬の瞳が強くなったかと思うと、急に腕を引かれ、抱きしめられた。


「…後悔すんなよ。」


後悔なんてしない。だって乱馬だから…。


そう言う代わりに、あたしは強く乱馬を抱きしめた。


PS.

あ、乱馬くんがあんまりヘタレてない!というツッコミは置いといて。
初めての前のお二人でした。
たまにはあかねちゃんも甘えたくなるときだってあるよね、ってことで。
二人っきりになったら、お互いおもっきし素直になってればいいよ。


ドリーマーに100のお題EDITCLAP


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。