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2011/06/03/00:00

026:何をしてるの?

夕飯後、デザートで出されたさくらんぼを食べていると、隣であかねが何やら口をもごもごと動かしていた。

「…何してんの?あかね。」

あかねは無言で顔の前に手をかざした。

…ちょっと待ってってことね。
「…できない!もう少しだったのにー!」

顔を真っ赤にしたあかねは不満そうにそう言って、ぺっと口からさくらんぼの茎を吐き出した。

「…ああ。口の中でさくらんぼの茎結ぶってやつね。」
「そうそう。今日お弁当のときもやったんだけどね、全然できないの。お姉ちゃんできる?」
「あたし?やったことないし、興味もないわね。」
「えー。やってみてよー。」

しきりにさくらんぼを押しつけるあかねを制していると、お風呂から上がってきた乱馬くんがひょっこり茶の間に顔を出した。

「あ、お前らだけで何食ってんだよ!」
「乱馬くんの分もちゃんとあるわよ、ほら。」
「お。さくらんぼ!」
「あたしももう一回やってみよ!」

そう言ってあかねは最後の一粒を口に含んだ。

「…何やってんだ?あかね。」
「乱馬くんもやってみる?口の中でさくらんぼの茎結ぶってやつ。」
「はあ?なんでそんな意味わかんねーことしなきゃなんねーんだよ。」
「…意味、ね。」

まあ…あるにはあるけど…。

…あかねはわかってやってるのかしら?


「あーもー無理!」

最後の一個もどうやら失敗に終わったらしく、あかねは悔しそうに口から茎を出した。

「ねえ、あかね。それ意味わかってやってんの?」
「…意味って?」
「口の中でさくらんぼの茎結べたらってこと。」
「できたら器用な人ってことじゃなくて?」

…やっぱりわかっていないみたい。

あからさまに溜息をつくと、乱馬くんが可笑しそうに笑った。

「じゃあ不器用なあかねには絶対無理じゃねーか。」
「何よ!そう言うなら乱馬もやってみてよ!」
「上等じゃねーか、見てろよ。」

そう言って乱馬くんはさっき食べたさくらんぼの茎を口に入れた。

「絶対できるわけないって。」
「さあ、どうかしらね。」

すると、口をもごもご動かしてさくらんぼの茎と格闘していた乱馬くんの目がぱっと見開いた。

「誰ができるわけないって?」

得意気にそう言って手のひらに出したさくらんぼの茎は、しっかりと結ばれていた。

「え?なんで?なんでできんの?」
「あら。ホントだ。やるわね、乱馬くん。」
「あかねと違って器用だからな、俺は。」
「よかったわね、あかね。」
「何がよかったよ!も~なんか頭に来たからあたしお風呂入ってくる!」

ばんっと勢いよく立ち上がると、あかねは足音を大きくたてながら茶の間を後にした。


「…で、何がよかったんだよ、なびき。」

じーっと探るような目をしながら、乱馬くんが口を開いた。

「ああ、乱馬くんも意味わかってないのね。」
「いーから早く教えろ。」
「口の中でさくらんぼの茎を結べる人ってね、キスが上手いんだって。」
「…へ~。」
「ってことは乱馬くんはキスが上手いってことだから、あかねによかったねって言ったのよ。」
「なっ…余計なお世話だっての。」
「あら、ホントのことみたいよ?ちなみにあれって練習したらできる人もいるみたいだから、あかねに特訓させてみたら~?」
「知るか!」

自分の分のさくらんぼが入った器を手に取ると、乱馬くんは茶の間から出て行った。


「あれは後で何かやらかすわね、きっと。」

その後の展開が容易に想像できて、なんだか可笑しくなる。


なんだかんだ言っても仲がいい様子の二人を思いながら、あたしはさくらんぼの甘酸っぱさに浸った。


PS.

練習すればできるようになるのはホントだけれども。
やり過ぎて舌つった人もいるくらいですから。自分ですが。
さて、乱馬くんはやらかすんでしょーか。
やらかすよね。そーだよね。やらかせばいーよ。ていうかやれ。
※やっぱりやらかしたようです→『047:宿題


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